クリアファイルがカールする現象について

チューリップ現象
 クリアファイルに刷りあがったばかりの(充分に乾燥していない)印刷物をセットして(挟み込んで)ご使用になる場合、クリアファイルがカールする(チューリップ現象(膨潤(ぼうじゅん)現象)と呼ぶこともある)トラブルがあります。
 これは、クリアファイルでよく使われている「PP(ポリプロピレン)」という素材が印刷インキに含まれている「VOC(揮発性有機化合物)*」を吸収して膨張する性質によるものです。
したがって、クリアファイルにVOCを発生する印刷物を挟むと、内側が膨張するので外側に カールします。

この問題を解決するには、3つの方法が考えられます。

解決方法1. 挟み込む印刷物を十分に乾燥させる。

•VOCは揮発性ですので乾燥させると空気中に飛散します。乾燥(通常4~5日)終了後、ファイリングします。

解決方法2. 挟み込む印刷物に使用するインキをNON-VOCタイプに変える。

•ほとんどの油性オフセット印刷に使われているインキにはVOCが含まれています。
(環境にやさしいと言われるSOYインキでも多くの製品に含まれます。)
当社でUVオフセット印刷で使っているインキにはVOCは含まれていません。
よってUVオフセット印刷を使うと問題はありません。

解決方法3. 素材を変える。

•ただし、PP以外の材料は高価であったり、割れやすく製品適正が落ちたりするなど現実的ではありません。

*揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compounds) 大気中で気体状となる有機化合物の総称であり、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な物質が含まれます。

クリアファイル表面のシモフリ傷の起因について

 クリアファイルの素材である印刷用PPシートは、表面は鏡面仕上げ、裏面はマット調仕上げ(高透明クリアファイルは両面とも鏡面仕上げ)となっています。表面は鏡面ロールへの圧着成形を行っているだけで、表面保護処理等は行っておりません。よって、製品同士が擦れ合うだけでも場合によっては細かい傷が生じる可能性があります。
 当社では、梱包、保管、出荷を通じて細心の注意を払っておりますが、お客さまの方でも移動時の取り扱いや保管場所での加重には十分にご注意いただきますことをお願いいたします。

クリアファイルのブリード現象について

 クリアファイルの原料には、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加物が含まれていますが、ブリード現象は帯電防止剤に起因するケースが多々あります。ブリード現象とは、時間経過とともに、クリアファイルの表面に白い粉末状のものが析出する現象をいいます。これは帯電防止の役割に欠かせないもので、白い粉は簡単に拭き取ることができますが、あまり見栄えの良いものではありません。
 コスト削減のため、クリアファイルを数回分(半年分など)まとめて印刷する場合は、このブリード現象が問題になります。クリアファイルの印刷は、必要部数を出来るだけ在庫せずに作成することをお勧めします。また、やむなく保管する場合は、夏場の倉庫や、高温の車の中などは極力避けてください。

再生PETクリアファイルの取り扱いについて

 PETはPPに比して、一般的に傷の付きやすい素材です。素材は透明ですから、中面に印刷をしております。再生PETクリアファイルは、表面(印刷面の反対面)が凹凸になっており、製品同士が擦れ合うだけでも細かい傷が生じる可能性があります。
弊社では、梱包、保管、出荷を通じて細心の注意を払っておりますが、お客さまの方でも移動時の取り扱いや保管場所での加重には十分にご注意いただきますことをお願いいたします。

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